鼻中隔弯曲症とは
鼻中隔弯曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)は、左右の鼻腔を仕切る「鼻中隔」が大きく曲がることで、鼻づまりなどの症状を引き起こす疾患です。 鼻中隔は、軟骨と骨、それを覆う粘膜で構成されており、成長過程や外傷の影響によって歪むことがあります。
ほとんどの人に軽度の曲がりは見られますが、鼻中隔の歪みが強くなると、次のような症状が現れることがあります。
- 慢性的な鼻づまり
- 片側だけの鼻閉(片鼻づまり)
症状が軽度の場合は治療を必要としないこともありますが、鼻閉が日常生活に支障をきたす場合には治療を検討します。
鼻中隔弯曲症の原因
成長過程での歪み
鼻中隔を構成する軟骨と骨は、それぞれ成長のスピードが異なります。そのため、成長過程で骨や軟骨に余分な力がかかり、鼻中隔が歪むことがあります。このタイプの鼻中隔弯曲症は、特に成長期に発症しやすいと言われています。
外傷
スポーツや転倒、交通事故などで鼻を打った際に、鼻中隔がずれてしまうことがあります。この外傷による鼻中隔弯曲は、気付かないうちに進行している場合もあります。
鼻中隔弯曲症の症状
鼻中隔弯曲症の主な症状は、慢性的な鼻づまりです。鼻中隔が大きく曲がることで片側または両側の鼻が詰まり、呼吸がしにくくなります。
この鼻づまりが日常生活に影響を及ぼし、以下のような症状を引き起こすことがあります。
鼻づまりによって起こり得る症状

口呼吸の癖がつく
鼻呼吸ができないため、口呼吸が習慣化し、喉の乾燥や不快感を感じることがあります。
頭重感や集中力の低下
鼻づまりにより十分な酸素が取り込めないことで、頭が重く感じたり、集中力が落ちることがあります。
いびきや睡眠の質の低下
夜間の鼻づまりが原因でいびきをかいたり、眠りが浅くなることがあります。
これらの症状は生活の質を大きく低下させるため、治療することをおすすめします。
鼻中隔弯曲症の診断法
ファイバースコープ(鼻内視鏡)検査
鼻内視鏡を用いて、鼻腔の奥まで詳細に観察します。鼻中隔の曲がり具合だけでなく、ポリープや粘膜の炎症の有無も確認できます。
CT検査
CT検査では、鼻中隔の立体的な形状や歪みの程度、周囲の副鼻腔との関係を正確に把握します。特に手術を検討する際には欠かせない検査です。
鼻中隔弯曲症の治療
鼻中隔弯曲症の治療は、主に鼻中隔矯正術(びちゅうかくきょうせいじゅつ)による手術が行われます。症状が軽度の場合は治療を必要としないこともありますが、慢性的な鼻づまりが日常生活に支障をきたしている場合には、手術が推奨されます。
鼻中隔矯正術とは
鼻中隔矯正術は、曲がった鼻中隔を真っ直ぐに整える手術です。以下はその概要です。
手術方法
鼻の穴からアプローチし、鼻中隔の粘膜を丁寧に剥がした後、歪みの原因となる骨や軟骨を切除または調整します。その後、粘膜を元に戻して縫合し、鼻中隔を整えます。
全身麻酔または局所麻酔
手術は通常、全身麻酔または局所麻酔下で行われます。侵襲が少ないため、日帰り手術が可能です。
期待される効果
手術後は鼻づまりが解消され、快適な呼吸が可能になります。また、夜間の睡眠の質が改善されることも期待できます。
慢性鼻炎を合併している場合
鼻中隔弯曲症と同時にアレルギー性鼻炎などの慢性鼻炎を合併している場合は、下鼻甲介手術を併用することがあります。これにより、鼻閉のさらなる改善が期待できます。
前弯矯正にも対応しています
鼻中隔の中でも、前弯(鼻中隔の前方部分の曲がり)は、矯正が難しく高度な技術が必要とされます。
鼻中隔の中でも、前弯
(鼻中隔の前方部分の曲がり)は、矯正が難しく
高度な技術が必要とされます。
前弯矯正は、鼻中隔の前方部分に特化した治療法です。この部位の曲がりは、通常の鼻中隔矯正術では十分に改善が難しい場合があり、特別な術式(Hemitransfixionアプローチなど)が必要です。
Hemitransfixionアプローチ
鼻腔の内側に切開を加え、前方の鼻中隔に直接アクセスします。前方の軟骨は通常の鼻中隔矯正のように切除すると鼻の変形を生じてしまうため、切除せずに長さの調節、移動(再配置)を行い、縫合固定することで矯正します。
当院では、豊富な経験を持つ医師が手術を担当します。高度な技術と細心の注意で手術を行い、患者さんの症状改善に努めています。